時系列予測の手法別解説

【時系列相関(2/2)】

異なるGDPで時系列相関を算出し比較


上記例においてGDPの値を変えた4つのケースで時系列相関係数を算出します。

【GDPの値が前述例】
時系列相関は、トレンドの影響を除去して売上とGDPの関係をみる指標です。このケースは、トレンドTを除去した売上とGDPはほとんどの月で一致しているので時系列相関は高くなっています。
単相関係数は、トレンドTを除去しないで売上とGDPそのままの関係をみる指標です。このケースは売上額の増加傾向、GDPの減少傾向が起因して単相関係数はマイナスの値を示しています。
このケースのように、時系列相関係数は高い値、単相関係数はマイナス(あるいは小さい)を示す場合、時系列相関を用いて、規定要因(GDP)は売上予測をするのに重要な要因と判断します。

【GDPの値が(b)】

時系列相関は、トレンドの影響を除去して売上とGDPの関係をみる指標です。このケースは、トレンドTを除去した売上とGDPはほとんどの月で一致しているので時系列相関は高くなっています。

 
単相関係数は、トレンドTを除去しないで売上とGDPそのままの関係をみる指標です。このケースは売上額、GDPいずれも増加傾向なので単相関係数はプラスの値を示しています。
このケースのように、時系列相関と単相関係数どちらも高い値を示す場合、どちらの相関係数を用いても、規定要因(GDP)は売上予測をするのに重要な要因といえます。

【GDPの値が(c)】

時系列相関は、トレンドの影響を除去して売上とGDPの関係をみる指標です。このケースは、トレンドTを除去した売上とGDPはほとんどの月で一致していませんので時系列相関は低くなっています。

単相関係数は、トレンドTを除去しないで売上とGDPそのままの関係をみる指標です。このケースは売上額の増加傾向、GDPの減少傾向が起因して単相関係数はマイナスの値を示しています。
このケースのように、時系列相関数と単相関係数どちらも低い(あるいはマイナス)を示す場合、どちらの相関係数を用いても、規定要因(GDP)は売上予測をするのに重要な要因でないといえます。

【GDPの値が(d)】

時系列相関は、トレンドの影響を除去して売上とGDPの関係をみる指標です。このケースは、トレンドTを除去した売上とGDPはほとんどの月で一致していませんので時系列相関は低くなっています。

単相関係数は、トレンドTを除去しないで売上とGDPそのままの関係をみる指標です。このケースは売上額、GDPいずれも増加傾向なので単相関係数はプラスの値を示しています。
このケースのように、時系列相関は低い値、単相関係数はプラス(あるいは大きい)を示す場合、時系列相関を用いて、規定要因(GDP)は売上予測をするのに重要な要因でないと判断します。


具体例における時系列相関


 医療機器販売台数を予測するのに広告費、営業回数、マーケティング施策が重要な要因であるかを、時系列相関で調べました。
 どの説明変数も時系列相関係数は0.2を超えているので、医療機器販売台数を予測するのに適用すべきと判断できます。




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