所長: 「いいですね。」
雪乃: (なによ、返す言葉が私と全くちがうわ、ぷんぷん)
所長: 「二人が求めた値を掛け算してみて。値がプラスの点はⅠかⅢに位置しているだろう。
雪乃: 「アラマー、不思議」(ちょっと感動)
所長: 「値がマイナスの点はどこにあるかな。」
美咲: 「Ⅱです。」
所長: 「そうだね。そして値が0の点は線上にあるね。
所長: 「掛け算した値を合計するといくつかな。」
雪乃: 「23です。」
所長: 「ここで問題だ。もし点がⅠ,Ⅱ、Ⅲ、Ⅳにばらついていたとしたら、合計はどのような値になるかな?」
雪乃: 「ⅠとⅢに位置する点はプラス、ⅢとⅣに位置する点はマイナスだから、Ⅰ,Ⅱ、Ⅲ、Ⅳにばらついていたとすれば、プラスもマイナスもあり、合計は0に近い値になると思います。」
所長: 「そうだね。全ての点がⅠとⅢだけにあれば全てプラスなので合計は大きくなる。
ということは、この合計が相関関係の強さを表しているんだ。」
美咲: 「今回のケースは合計が23だから、相関係数は23というんですか?」
所長: 「美咲さん、単相関係数の最大は1なので、もう一つ計算を加えるんだ。さっきお二人が求めた「平均との差」を2乗する。」
美咲: 「2乗って?」
雪乃: 「例えば4なら、4×4とすることよ。-4なら-4×-4でこれは16となるわ。
0(ゼロ)の2乗は0(ゼロ)だよ。」
美咲: 「OK了解」
所長: 「そして、2乗された値を合計する。」
雪乃: 「練習日数の合計は26、腕立て伏せ回数は68となりました。」
所長: 「2つを掛け算してみてごらん。」
雪乃: 「26×68で1768です。」
所長: 「1768のルートの値はいくつ?」
美咲: (小声で、雪乃、ルートって何)
雪乃: 「2乗の反対よ。例えば16であれば、ルートの値は4。2回かけて16になる数なの。」
美咲: 「おもいだしたわ。だけど1768のルートはどうするの。」
雪乃: 「電卓にルートボタンがあるでしょ。ほらここに。」
美咲: 「あらほんと。1768とたたいてルートのボタンを押すと42.05となったわ。」
所長: 「お二人さん。もういいかい。」
美咲・雪乃: (雪乃、美咲、二人そろって)「はいどうぞ。」
所長: 「先ほど求めた相関の強さを表す23をこの42.05で割った値が単相関係数なんだ。」
雪乃: 「23÷42.05を計算すると0.55です。」
所長: 「わかったかい。」
雪乃: 「相関の強さを表す23までのことは理解できたんですけど、最後のところがわかりません。なぜ42.05で割るんですか。」
所長:「ピアソンというイギリスの学者が、相関関係が最も強いデータで今行った最後の計算を加えると、単相関係数が1になることを発見というか、考えだしたのだよ。時間があったら図表2.10のデータで、今勉強した手順で計算してごらん。単相関係数は1になるよ。」
雪乃: 「はい、わかりました。」
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