拡張型数量化1類
《拡張型数量化1類(1/2) 》
拡張型数量化1類は数量化1類同様、予測モデル式を導き、目的変数の予測、その予測に重要な影響を及ぼす要因を解明します。数量化1類との違いは、説明変数のデータタイプがカテゴリーデータと数量データ両方を適用できることです。
1.拡張型数量化1類の解説で適用する例題
5つ学習方法があります。20人の学生は、ある一定期間、決められた学習方法で、学生自身が定めた学習時間で勉強します。期間の開始時点と終了時点でテストを行い得点の増分を調べます。
学習方法、学習時間、得点増分のデータを示します。

基本集計
基本集計
学習方法と得点増分との関係をカテゴリー別平均、相関比で調べました。得点増分の平均値は学習方法によって違いがみられました。学習方法と得点増分の相関比は0.53で基準の0.25を上回り、学習方法は得点増分に影響を及ぼしているといえます。
学習時間と得点増分の関係を相関図と相関係数で調べました。学習時間が多い生徒ほど得点増分は高くなる傾向がみられます。相関係数は0.8581で基準の0.5を上回り、学習時間は得点増分に影響を及ぼしているといえます。

2.拡張型数量化1類とは
学習方法と学習時間からテスト成績(得点増分)を予測するモデル式を作成することにします。学習方法はカテゴリーデータ、学習時間は数量データと説明変数のデータタイプが混在しています。このような場合に適用できる解析手法が拡張型数量化1類です。
3.拡張型数量化1類との計算方法
拡張型数量化1類のモデル式は数量化1類と同様に重回帰分析で求めることができます。重回帰分析を行うために、カテゴリーデータは[1,0]データに変換します。数量データは偏差データ(データから平均値を引いた値)に変換します。
【例】学生1の偏差データは、123-平均値=123-97.4=25.6です。

重回帰分析
目的変数を得点増分、説明変数を学習方法(1,0データ)、学習時間(偏差データ)として重回帰分析を行います。ただし、学習方法の方法5は除いて重回帰分析を行います。

カテゴリースコアの算出方法
① 学習方法のカテゴリー名を記入します。
② 学習方法の回答人数を記入します。
③ 重回帰分析の係数を記入します。学習方法5は計算されていないので0を記入
します。
④ ②と③を掛け算します。
⑤ ④の値を合計します。
⑥ ⑤を総回答人数20人で割ります。
⑦ ③から⑥を引きます。求められた値がカテゴリースコアです。

アイテムスコアの算出方法
学習時間は数量データなので、重回帰分析の係数をそのまま適用します。この係数を拡張型数量化1類ではアイテムスコアと呼びます。
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