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1ヵ月後、予力統計分析研究所に送られてきた調査票は20票だった。 雪乃がExcelに入力したデータは次の通りである。
回収調査票
回収調査票
ただし、問1は〇の付いた要素を1点、〇の付かない要素を0点として入力した。
問2の項目名は総合評価という名称にして、データは次に示す得点で入力した。

総合評価の配点
所長: 「雪乃くん、集計と分析をしてください。」
雪乃: 「えっ、私がするんですか。」
所長: 「あたりまえだ。入社して間もないころ、CS分析の仕方を教えたと思うが。」
雪乃: 「はい、そうでした。その時のノートを見て挑戦します。」
所長: 「頼むぞ。」

雪乃はノートを取り出し”4月××日顧客満足度調査の分析方法について学ぶ(CS分析とはCustomer Satisfactionの略)”と書かれたページを開いて復習した。
雪乃:  「集計と分析をしたので、所長チェックしてください。」
所長:  「では結果を聞こう。」
雪乃:  「問2のお店全体の総合評価について集計し、グラフを描きました。」(図表3-4、3-5参照)

店全体の総合評価
満足率
総合評価


雪乃: 満足と回答した人は10%、やや満足は30%で二つ合わせた2topの満足率は40%です。不満とやや不満を合わせた不満率は45%で、不満率が満足率を上回りました。

1点から5点の得点データの平均値を計算すると2.9点で、真ん中にあたる「どちらともいえない」の3点を下回りました。
総合評価の満足率や平均値から判断すると、明星さんの美容院は問題があると思います。」

所長: 「雪乃君、ここまでは順調だ。」
雪乃: 「はいうれしいです。次に、問1の各要素について、1点を回答した人の全体20人に占める割合を満足率として計算しました。」(図表3-6参照)

各要素1点をつけた人数と満足率
各要素1点をつけた人数と満足率

所長:「OK」
雪乃:「満足率を降順で並べ替え横棒グラフを描きました。」(図表3-7参照)


所長: 「OK、それで?」
雪乃: 「あいさつの満足率が最も高く、次に設備の充実度、店舗の清潔感が続きます。技術の高さ、室内のゆとりは30%を切りました。私は、優先的に改善すべき要素は評価の最も低い室内のゆとりだと考えました。」

所長: 「バカモン。」
雪乃: 「えっ、間違いですか。誰がみても、室内のゆとりの満足率は5%と低いので改善要素だと思いますが。」
所長: 「CS分析を勉強したとき、CS分析で重要なことをノートにメモしていたと思うが。」
雪乃: 「(パラパラとノートをめくり)ありました。

CS分析は総合評価を高めるのに重要な要素で評価の低い要素を改善する

と書いていました。」

各要素の満足率
各要素の満足率
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