統計的検定

◆統計的検定◆

統計的検定とは


統計的検定とは、母集団に関する仮説を標本調査から得た情報に基づいて検証することで、仮説検定とも呼ばれている。
例えば、薬剤の効果を調べる場合、その薬を必要とする全ての人に薬剤を投与してみれば効果は分かるが、それは不可能である。そのため臨床研究では、一部の人に薬を投与して、そこで得られたデータが世の中の多くの人たちにも通じるかを検証する。
具体的には、「解熱剤である新薬は母集団において解熱効果がある」という仮説をたて、統計的検定の手法を用いてこの仮説が正しいかを確認する。
母集団の統計量には平均、割合、分散など各種あるが、調べたい母集団の統計量によって統計的検定の方法が異なる。

帰無仮説、対立仮説とは


「AとBの母平均は異なる」ということを主張したい場合、
統計学ではそれとは逆の
「AとBの母平均は等しい」という仮説を立てる。
この仮説を帰無仮説、主張したいことを対立仮説という。
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p値とは


p値は帰無仮説が偶然に成立してしまう確率である。
p値が例えば0.02というのは、帰無仮説が偶然生じることは100回に2回(2%)であることを意味する。
すなわち、帰無仮説「AとBの母平均は等しい」が偶然生じる確率は2%である。
言い換えれば主張したいこと「AとBの母平均は異なる」という判断を誤る確率は2%だということである。
p値は、母集団について主張したいことが成立するかを判断するときの誤る確率である。

有意水準とは


有意水準は、統計的な検定において、帰無仮説を設定したときにその帰無仮説を棄却する基準となる確率のことである。 0.05(5%)や0.01(1%)といった値がよく使われる。

有意差判定


p値が、予め定めておいた「有意水準」より小さければ、帰無仮説は棄却され主張したいことは成立する。裏返せば、主張したいこと「AとBの母平均は異なる」を誤る確率は有意水準より小さく、正しいと判断する。
p値=0.02、有意水準=0.05とすると、主張したいことを誤る確率は2%で有意水準5%より小さく、「AとBの母平均は異なる」は正しいと言える。
逆にp値が「有意水準」より大きければ、帰無仮説は棄却できず主張したいことは成立しない。つまり、主張したいこと「AとBの母平均は異なる」を誤る確率は有意水準より大きく、正しいと判断できない。
p値と有意水準の比較で、「正しい/正しいといえない」と判定することを有意差判定という。

NS あるいは p>0.05とは


「p<0.05」は「母集団について主張したいことが誤る確率が5%未満である」を意味する。このことを「有意差がある/有意である」という。
 p値が有意水準より大きい場合は「有意差があるといえない」という。この場合、p>0.05とせず、NSと記載する。
NSはNot significantの略である。
NSの場合、「AとBの母平均は異なる」が「いえない」の判断になるが、これから「AとBの母平均は等しい」と言ってはいけない。統計学的には「AとBの母平均には有意差が認められなかった」ということである。
n=25の標本調査において、AとBの母平均は期待している差がみられた。ところが「p=0.06」で有意差がなかった。このような場合、サンプルサイズが小さくて有意差は分からなかったと解釈する。


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