統計的検定の考え方
◆統計的検定の考え方◆
【具体例】
n=400の標本調査を行った。A商品の認知率は66%だった。
調査結果を踏まえ、「A商品の認知率は60%でない」ことを統計的検定によって検証せよ。
具体例について、統計的検定はどのような考え方で行われているかを解説する。
事実
認知率(母比率)が未知である母集団について、n=400の標本調査を行ったところ、A商品の認知率(標本割合という)は66%だった。
仮定
母集団の認知率(母比率)は比較する60%(比較値)と仮定する。
この母集団について標本割合を求めると60%に近い値が得られるはずである。仮に100回標本調査を行うと95回は55%~65%に収まると推測できる。
ところが標本調査の結果は66%でこの範囲から外れ、100回の内5回以内(確率を計算すると1.4%)とまれなことが起こった。
結論
母比率が60%の母集団について標本調査をしたとしたら66%の結果はまれなことであるが、標本調査は母比率が未知の母集団についてしたものなので、標本割合66%は母比率が60%の母集団から得たものでなかったと判断する。
これより母比率は60%でない、すなわち、「A商品の認知率は60%でない」が検証できたと判断する。
p値
母比率が60%の母集団について、標本割合66%が起こる確率は1.4%である。この確率をp値という。
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