ウイルコクソンの順位和検定(U検定)
◆ウイルコクソンの順位和検定(U検定)◆
ウイルコクソンの順位和検定(U検定)の概要
ウイルコクソンの順位和検定はノンパラメトリック検定のひとつである。マンホイットニーのU検定と呼ばれる検定法と実質的には同じものである。検定統計量の算出方法に違いがあるが検定結果 (p値) は完全に一致する。
ウイルコクソンの順位和検定は得られた対応のないデータの2群間の平均値に差があるかどうかを検定する方法である。データの大小を順位に置き換えて統計的検定を行うので、2群間の平均値の差というより順位平均値(中央値)の有意差を調べる検定手法といってよいだろう。
データが順序尺度の場合、及び、距離尺度の場合はサンプル数が少ないときに用いられる。
ウイルコクソンの順位和検定の検定は次の手順によって行う。
①帰無仮説を立てる
群1と群2の二つ群の母集団の順位平均値は同じ
②対立仮説を立てる
次の3つの内のいずれかにする
(1)群1の母集団順位平均値は群2の母集団順位平均値より大きい
(2)群1の母集団順位平均値は群2の母集団順位平均値より小さい
(3)群1と群2の2群の母集団順位平均値は異なる
③両側検定、片側検定を決める
対立仮説によって自動的に決まる
対立仮説(1) → 片側検定(右側検定)
対立仮説(2) → 片側検定(左側検定)
対立仮説(3) → 両側検定
④検定統計量を算出
⑤p値を算出
2群のサンプルサイズいずれも7以下 マンホイットニーU検定表適用
2群のサンプルサイズいずれかが8以上 z分布適用
⑥有意差判定
p値<有意水準0.05 2群の順位平均値に差があるといえる
p値≧ 有意水準0.05 2群の順位平均値に差があるといえない
2群のサンプルサイズいずれも7以下の検定の結果
【具体例】
プロ野球2軍登録選手と東京6大学野球レギュラーとでバッティング技術に差があるかを調べるために、各々からランダムに7人、6人を選び、バッティングマシンによるテストを行った。
下記表は、100回振ったときの空振り及びヒット性でないミス数を示したものである。これからバッティング技術に差があるといえるかを有意水準0.05で検定せよ。
【基本統計量】
【検定結果】
対立仮説は「プロ野球2軍選手と6大学野球選手のミス数に差がある」より、両側検定を行う。
注. 片側検定の場合のp値は0.014÷2=0.007
p値<0.05より、プロ野球2軍選手と6大学野球選手のミス数(順位平均値)に差があるといえる。
2群のサンプルサイズいずれかが8以上の検定の結果
【具体例】
プロ野球2軍登録選手と東京6大学野球レギュラーとでバッティング技術に差があるかを調べるために、各々からランダムに7人、9人を選び、バッティングマシンによるテストを行った。
下記表は、100回振ったときの空振り及びヒット性でないミス数を示したものである。これからバッティング技術に差があるといえるかを有意水準0.05で検定せよ。
【基本統計量】
【検定結果】
対立仮説は「プロ野球2軍選手と6大学野球選手のミス数に差がある」より、両側検定を行う。
注. 片側検定の場合のp値は0.037÷2=0.0185
p値<0.05より、プロ野球2軍選手と6大学野球選手のミス数(順位平均値)に差があるといえる。
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