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《共分散構造分析(5/7) 》

・合格有無と相関分析

合格有無とその影響要因8項目とのクロス集計を行い、リスク比を算出しました。
リスク比は、影響要因ごとに合格割合YesをNoで割った値で、Yesの生徒はNoに比べ「何倍合格できる」と解釈できます。
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リスク比の降順で並べました。
合格有無に影響度が最も高いのは、文章読解力で次に学習時間、繰り返し学習が続きます。
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・影響要因相互の相関分析

 質問9項目相互の単相関係数を算出しました。
影響要因相互の相関(赤線枠内)で0.3以上に着目すると、収入と親のしつけの関係性、計算力と文章読解力と暗記量相互の関係性、計画的学習と繰返し学習と学習時間との関係性が高いことがわかりました。
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影響要因8項目に変数クラスター分析を行いました。
8項目は3つのグループに分類されることが分かりました。

・因果関係の仮説

 変数クラスター分析の結果から質問項目は3つの群に分類されることがわかりました。これらの群を潜在変数とみなし、因子名を家庭環境、知的能力、学習方法としました。
 家庭環境と学習方法は知的能力に影響し、合格有無は家庭環境、知的能力、学習方法の3因子の影響をう受けて決まると考え、下記のパス図を作成しました。
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・共分散構造分析の実施

上記パス図で共分散構造分析を行いました。
GFIは0.9を下回りましたが、p値は0.05を上回りました。

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パス係数をパス図に表記しました。

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上記パス図に合格総合能力という潜在変数を加えて共分散構造分析をしてみました。
GFIは0.9を超えました。


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事例1:偏相関係数型モデル

≪例題4≫
次のデータは、中学生20人について、学年、身長、漢字個数(100個中何個の漢字を知っている)を調べたデータです。身長と漢字個数の単相関係数は0.418でした。身長が伸びれば知っている漢字個数は増えるかの因果関係を調べてみましょう。
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説明変数相互の単相関係数と偏相関係数を示します。

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下記のA図は単相関係数のパス図で、3変数間の関係を見たものです。
単相関係数をみると、学年と漢字個数は0.788、身長と漢字個数は0.418で、学年が上になるほど、身長が高くなるほど、知っている漢字個数は多くなるといえます。
2変数間の偏相関係数は、その他変数の影響を除去したときの相関です。
B図、C図、D図は共分散構造分析におけるパス図です。誤差変動(円)を双方向の矢印で結んだ値は、偏相関係数の値となります。

偏相関係数みると、学年と漢字個数は0.735、身長と漢字個数は0.002で、学年が上になるほど知っている漢字個数は多くなりますが、身長が高くなるほど漢字個数は多くなるといえません。
学年と身長に相関関係があり、このことにより身長と漢字個数は高くなり、両者の関係は見かけの相関が発生しています。偏相関係数は学年の影響を除去して、身長と漢字個数の関係を見たもので、真の相関を見出そうとする解析手法です。
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