プロローグ

私は佐藤莉子(さとうりこ)。

知人の紹介を経て、とある事務所を訪ねた。

そこにはさわやかな笑顔がすてきな男性がひとり。
一見、若そうだけど、ときどき見せる物思いにふける様相は必ずしも若いとは言えず、年齢不詳。

彼の名前は統田計之助(とうだけいのすけ)。
職業は <統計アナリスト>。
世の中には、困ったとき相談にのってくれる職業人、例えば弁護士、探偵などいるけれど、統計アナリストもその部類に入るとか。
情報の活用方法で困っている人や会社を助ける仕事だと紹介者である知人から聞いて訪ねたのだ。

『どのようなことを解決したいですか。』
『日頃、身のまわりで起こっている現象でいろいろ疑問に感じていることがあります。
例えば

  • ž   1,000人ぐらいのアンケート調査で選挙に当落を予測できる
  • ž   偏差値で大学合格の可否を判断できる
  • ž   米国産牛肉検査は、全頭数の1%で安全性を決めている。
  • ž   景気が悪い次の年は、女性のスカートが短くなる。
  • ž   中国で起こった地震の3日前に、大量のカエルが移動した。

このような事象を不思議に思う人は私だけではないと思います。統田先生への依頼は、このような現象を具体的なデータを用いて統計で説明していただきたいのです。』

『僕は日常の仕事だけで、十分忙しいんだよ。莉子さんが僕の指示に従って作業してくれるなら引き受けられるけどね。』

こうして統計学を使う日々が始まったのだった・・・。



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