前へ          次へ

雪乃:「よく分からないけど、私の大好きな『あんまん』と購入金額の関係は、1個で100円、2個で200円、3個で300円、・・・、のような関係がないということですよね。」

所長:「『あんまん』ときたか。そうだよ、『あんまん』の個数が決まれば購入金額がピタリと決まる。
だから、購入金額=100円×『あんまん』個数という関係式で表せる。経過年と平均気温はこのような関係式で表せないということだ。」

雪乃:「わかりましたけど、だから何なの。」

所長:「(“だから何なの”に、くじけそうになる所長・・・)『あんまん』と購入金額のような関係はないものの、年が経過するにつれ平均気温が高まる、という傾向が図から見ることができる。
だから、経過年と平均気温はまったくの無関係であるともいえないんだ。」

雪乃:「そうですね。」

所長:「このような2つの事柄(変数)、例えばXとYについて、Xの値が決まればYの値が決まるというわけでないが、両者の間になんらかの関係が見られるとき、適当な直線を決めてあげれば、Xの値に対してYの平均的な値を推定することができる。

このように直線をあてはめることを「関数式のあてはめ」といい、その方法は回帰分析という解析手法で行なうことができるんだ。」

雪乃:「わざと説明を難しくしているみたいですけど、理解はできました。」
所長:「回帰分析は色々な分野で適用されるが、直線のあてはめで回帰分析を用いる場合、直線回帰分析という。」

雪乃:「直線の式はY=aX+bでしたよね。」
所長:「そうだよ。Y3の直線の式は?」

雪乃:「エーット。」
所長:「うろ覚えではいかんぞ。」
雪乃:「あちゃぁ~」
所長:「実はこの問題は易しそうで難しいんだ。

経過年は2010やH22で表されている。これらは経過年の名称で数値データではない。
経過年は数値データに置き換えるんだ。

一般的には1から始まる整数1,2,3,4,・・・を適用する。
この整数を時間変数と呼ぶことにしよう。
図表10参照

この表のグラフを描いてください。」
 

雪乃:「描きました。」
図表11参照

所長:「Xが0のとき、Yの値はいくつかな。」
雪乃:「直線が縦軸と交わるところの値ですね。24です。」

所長:「その値がY=aX+bのbの値だ。」
雪乃:「aは直線の傾きと覚えていましたので、0.5ですよね。

所長:「OK」

 
所長:「それでは、残差平方和が最小となる直線Y=aX+bのaとbの求め方を教えよう。
いつだったか、雪乃君の学生時代の友人美咲さんから相談された件で、単相関係数を適用したよね。」


雪乃:「はい、単相関係数を使いました。」

所長:「平均気温と時間変数Xの単相関係数を算出してください。」
雪乃:「単相関係数の計算手順にしたがい「図表12」を作成しました。」


雪乃:「単相関係数の公式に基づき計算すると、単相関係数は0.9899となりました。」


所長:「ご苦労さん。単相関係数を求めてもらったけど、残念ながら、今回は使わないよ。」
雪乃:「そんなー」


所長:「計算手順表の作成は無意味でないよ。aは次の公式で求められるよ。」
     

雪乃:「ということは13÷28で、aは0.4643ですね。」

所長:「bの求め方を説明しよう。bは次の式で求められる。

   b=平均気温の平均 - a × 時間変数Xの平均

雪乃:「計算手順表から平均気温の平均は26、時間変数Xの平均は4だから、b=26-0.4643×4=24.14 です。」

所長:「OK、それではこの関係式にX=1,2,3,4,5,6,7を代入し、Yの値を求めてください。」 
雪乃:「計算しました。」
図表13参照

 
所長:「求めたYの値と平均気温のグラフを描いてください。」 
雪乃:「描きました。」
 (図表14参照

所長:「グラフの直線が最も当てはまりの良い直線ということだよ。」 
雪乃:「直線の残差平方和を求めてみます。」


雪乃:「0.12です。先ほどはY1の残差平方和が0.16でしたが、さらに小さくなりました。」
図表15参照

所長:「図表12を適用し、a、bの算出公式から導かれた直線が、最も当てはまりのよい直線になることは数学的に証明されているんだ。ここでは省略しよう。」 
雪乃:「了解です。」

所長:「求められた直線に2015年、2020年の時間変数Xの値を代入すれば、2015年、2020年の平均気温が予測できるよ。」

 
雪乃:「2015年、2020年の時間変数は8と9でよいですか。」
所長:「OK」

雪乃:「2015年は27.9度、2020年は28.3度です。」
図表16参照

 
所長:「ばっちりじゃないか。この結果をきちんと常夏市環境課の佐藤さんに説明できるかテストしよう。」
雪乃:「そんなー。」

< 前のページへ(1/4)                             次のページへ(3/4) >