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所長: 「了解。ここで、右下の座標点(80,20)について、もう少し考えてみよう。ある要素がこの座標点(80,20)だったとしよう。この要素は満足率が最も低く、単相関係数が最も高い。すなわち総合評価を高めるのに最も重要な要素であるのに満足率が最も低いので、他の座標点の要素に比べ、改善を最も早くすべき要素といえる。」
雪乃: 「ということは、座標点(80,20)に近い位置にある要素ほど改善し、遠い位置にある要素ほどは改善しなくてよいということですか?」
所長: 「すごいじゃないか。その通り。さらにいうならば、改善する要素は基準線に近く中心点からの距離が大きいものだ。」

距離と角度③
雪乃: 「まとめると、角度が小さく距離が大きいほど改善度指数は大きくなるということですね。」
所長: 「そうだ。【角度が小さいほど改善度指数が大きくなる】を【角度が大きいほど改善度指数は大きくなる】としたいために、修正角度指数というものを導入する。」
雪乃: 「修正角度指数?」 
所長: 「基準線からの角度を図に示すように

90度→0
45度→0.5
0度→1

と変換する。この角度を修正角度指数と呼ぶことにする。  数式では、

修正角度指数=(90度-角度)÷90度

で求められるんだ。」

角度と修正角度指数
雪乃: 「”技術の高さ”の角度は24.4度だから、修正角度指数は0.729です。」

(90度-24.4度)÷90度=0.729 

所長: 「改善度指数は次の式で求められるぞ。」 

改善度指数=距離×改善度指数

雪乃: 「距離は15.8なので、15.8×0.729=11.5です。 ワー、所長が算出した結果と同じになりました。」 
所長: 「おめでとう。」

後日、雪乃はパワーポイントで報告書を作成し、明星さんに説明した。
CS調査報告
お店に対する総合的評価は満足と回答した人が40%で不満の45%を下回っている。
お店の総合評価を上げるのに重要な要素は技術の高さである。
明星さんの美容院は重要要素の技術の高さの評価が25%と低い。
改善度指数を計算すると11.5で即改善が必要と思われる(①)
次に改善度指数が高いのは室内のゆとりである。
店舗改善には費用がかかるので配置換えなどして、室内のゆったり感をかもし出すこと(②)
①、②を改善すれば獲得した顧客の継続利用が見込める。

雪乃は明星さんにすっかり気に入られ、サービスで雪乃に似合うヘアスタイルをアドバイスまでしてもらった上、実際にそのスタイリングにしてもらった。 月曜日出社すると所長は目ん玉を大きくし、変身した雪乃にどこのお嬢様だと絶句した。


第3話 終わり
制作:菅 民郎 
理学博士 
株式会社アイスタット代表  
ビジネス・ブレークスルー大学院教授
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