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所長: 「それでは鈴木さんから頼まれた仕事をしておいてね。」
雪乃: 「求めました。偏差値を求めるだけでなく、偏差値の合計を求め、合計が最も大きい選手を調べました。」
所長: 「ホー、それで。」
雪乃: 「C選手に賞金をだすのが良いと思います。」

打撃部門別偏差値
所長: 「よくできたね。雪乃が最初に求めた順位の合計と比較してごらん。」
偏差値合計、順位合計
雪乃: 「順位合計では1位がB選手でした。」
所長: 「優秀選手を決めるのにどちらの方法が良いかという統計学的基準はないんだ。だからどちらを使ってもよいのだが、鈴木さん始め、選手、テレビ視聴者が納得する方法が最良といえる。ぼくは皆が納得するのは順位合計でなく偏差値合計だと思う。」
雪乃: 「用いる方法によって賞金をもらえる選手が変わってしまうので、分析する人の責任は重大ですね。」
所長: 「そうだよ。雪乃は、鈴木さんに偏差値合計で優秀選手を決めたことをきちんと説明し、納得させなければいけないよ。それができて仕事が完了なんだ。」
雪乃: 「私にできるかしら。頑張ります。」

後日談、雪乃が得意顔で企画担当者鈴木さんに説明

雪乃: 「野球選手が多数いる中で個々の選手の打撃成績がどのような位置にあるか」、すなわち、「集団の中で個々のデータがどのような位置にあるか」を把握したいとき、全てのデータを眺めながら一つ一つ位置関係を決めていくのは大仕事です。けれども平均値や標準偏差が分かっていれば、データを偏差値にすることによって集団での位置が把握できます。

偏差値の公式は、【10×(データ-平均値)÷標準偏差+50】です。

鈴木: (・・・)
雪乃: (やばい、説明が難しすぎたかな)「偏差値から、賞金を贈呈する選手はC選手です。」
鈴木: 「あの有名な偏差値で優秀選手を決めてくれたこと、感動しました。」

『偏差値で野球選手を評価』というキャッチフレーズで放映します!と、喜んで帰っていった。


第1話 終わり
制作: 菅 民郎 
理学博士 
株式会社アイスタット代表  
ビジネス・ブレークスルー大学院教授
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