◆適合度・正規性の検定(1/2)◆

1. 適合度の検定

  度数の検定とは
 
カテゴリーデータで測定された場合の検定方法を解説します。
カテゴリーデータは次の例に示すように、度数あるいは比率の表に整理することができます。

1標本の度数の検定は次の手法が用意されています。 
・適合度の検定
・コルモゴロフ・スミルノフの検定

2. 適合度の検定

適合度の検定は、標本調査の度数分布表から、母集団のある項目の階級別比率が任意の比率であるかを調べる手法です。
いま、ある母集団について標本調査を行い、次なる度数分布表を得たとします。
階級数を 個、各階級の母集団の比率を pp2 、…、pとします。
度数分布における各階級の度数を n1 n2 、…、na 、総度数を  とします。
総度数 に pp 、…、p をかけた値を期待度数nn2 、…、n を実測度数といいます。

度数分布表
を計算します。
実測度数と期待度数が等しい(いいかえれば標本比率と母比率が等しい)という仮説のもとに、標本調査を何度も繰り返して統計量を求めると、 χ分布に従うことが分かっています。
このことを利用して、適合度の検定は、母集団のある項目の階級別比率が任意の比率と同一であるかを検定します。
あるサイコロが不正につくられたものかどうかを調べるために、60回投げて出た目の数を集計しました。次の表はその結果です。このサイコロは不正につくられたサイコロといえるでしょうか。ただし、正しくつくられたサイコロの1~6の目の出る確率は、全て1/6 で等しいものとします。
●留意点 帰無仮説は結論にできません。
帰無仮説が棄却できたので、有意水準0.05で「不正なサイコロである」という結論を出しました。ところで、ここでもし帰無仮説が棄却できなかったとしても、それをもって「正しいサイコロである」という結論を出すことはできません。検定したのはあくまでも“不正なサイコロといえるかどうか”であって、「不正とはいえない」という結論と、「正しい」という結論とは別物であるということです。
検定の結論として採択できるのは対立仮説だけであって、帰無仮説が棄却できなかったとしても帰無仮説を結論として採択することはできません。検定の結果、帰無仮説が棄却できなかったときは、結論の文脈に注意する必要があります。

例題
 硬貨を50回投げたところ、表が30回出ました。この硬貨は不正なものといえるかどうかを、有意水準0.05で検定しなさい。
解答
〇統計量
●結論
  有意水準0.05で、この硬貨は表と裏の出る確率が異なる不正な硬貨であるといえない。
  注:いえないからといって、この硬貨が正しいということではない。

<別 解>
この例のようにカテゴリー数が2の場合、母比率の検定を用いて解くことができます。
ゆえに帰無仮説が棄却できない。
●結論
有意水準0.05で、この硬貨は表と裏の出る確率が異なる(不正な硬貨である)とはいえない。