【加重移動平均法(1/2)】

解析手法の役割

 加重移動平均は時系列データの傾向を調べる解析手法で、季節不規則変動調整済み系列TCを算出します。TCIをTCで割ることによってIを算出します。

適用できるデータ形態と時期数

月次データ、四半期データ、年次データ、日別データなど全ての時間変数に適用できます。
データの時期数はどのデータ形態も4以上です。
  
具体例

下記表は売上本数のデータです。
加重移動平均の求め方  

移動平均同様、当該月の前後1ヵ月のデータを用いますが、平均を求める際、当該月を2倍した合計値を4で割って算出します。(2倍したデータを用いたので3ではなく4で割ります。)
 
 2月の場合 (1月+2×2月+3月)÷4ヵ月=(2+2×3+4)÷4=3
 3月の場合 (2月+2×3月+4月)÷4ヵ月=(3+2×4+8)÷4=4.75

前の月がない1月と後の月がない8月は、移動平均は計算できませんでしたが、加重移動平均は次のようにして求めることができます。
1月は前の月のデータがないので加重移動平均は次となります。

  1月の場合 ( 2×1月+2月)÷3ヵ月=( 2×2+3 )÷3=2.333

8月は後の月のデータがないので加重移動平均は次となります。

  8月の場合 (7月+2×8月 )÷3ヵ月=( 5+2×12  )÷3=9.667

加重移動平均からわかること

売上本数(TCI)と移動平均のグラフを重ね書きします。
 TCの線はTCIの折れ線の真ん中を通り、TCの変動はTCIに比べ小さくなっています。したがって、TCはTCIに比べ売上本数の傾向が捉えやすくなっています。
 移動平均に比べ、TCの線が滑らかになることが知られています。
 移動平均は計算できない月がありましたが、加重移動平均は全ての月について計算できます。TCの把握は移動平均より加重移動平均で行うのがよいでしょう。
●留意点
移動の期間(3ヵ月間、3四半期間、3年間、・・・)を項数あるいはサイクルといいます。項数は3だけでなく、それ以上の加重移動平均を求めることができます。
項数が奇数、偶数どちらでも加重移動平均を算出できます。
項数が奇数と偶数で求め方が異なります。まず始めに、奇数の場合について説明します。
項数が奇数の場合

加重移動平均は、次に示すウエイトをデータに掛けて加重移動合計を算出し、加重移動合計をウエイト合計で割ることによって求められます。
ウエイトは加重移動平均を求める時期を最大とし、その時期から離れるに従い小さくなる値とします。

先ほどは3項の加重移動平均でした。ここでは下記データについて、5項の加重移動平均の算出方法を説明します。

<4月における5項加重移動平均>

 加重移動合計=1×2月+2×3月+3×4月+2×5月+1×6月
          =1×3+2×4+3×8+2×3+1×10=51
  ウエイト合計=12321=9
 加重移動平均=加重移動合計÷ウエイト合計=51÷9=5.667

時系列データの先頭あるいは末尾部分は、計算対象のデータが存在しないので、下記に示すような短縮加重を行うことによって、加重移動平均を算出します。
この例では、1月、2月、7月、8月が計算対象のデータが存在しません。

<2月における5項加重移動平均>

2月の短縮加重移動を示します。
  2月 加重移動合計=2×1月+3×2月+2×3月+1×4月← 12月のデータ無し
              =2×2+3×3+2×4+1×8=29
    ウエイト合計  =2321=8
    加重移動平均 =加重移動合計÷ウエイト合計=29÷8=3.625

全ての月の加重移動平均を示します。