【時系列相関(1/2)】

解析手法の役割

売上と規定要因とは相関関係があるのに、売上のトレンドは増加、規定要因のトレンドは減少といった場合、単相関係数は低い値となって、両者には相関関係がないといった誤りをすることがあります。時系列相関は、売上と規定要因との関係を見る際、両者のトレンドTの影響を除去して両者の関係を調べる手法です。

適用できるデータ形態と時期数

月次データ、四半期データ、年次データ、日別データなど全ての時間変数に適用できます。データの時期数はどのデータ形態も4以上です。
  
具体例 

下記表は売上額とGDP(国内総生産)のデータです。

時系列相関とは

下記表の時系列データにおける売上額とGDP(国内総生産)の単相関係数は-0.2346でした。単相関係数はマイナスなので、GDPが増加すれば売上額は減少するという結果となりました。
 両者の時系列比較グラフを描き、このことを確認してみました。確かに売上額の増加傾向に対しGDPは減少傾向を示しています。しかしながら各月の増分を見ると、GDPが増加すれば売上額も増加(GDPが減少すれば売上額も減少)という月が多く、GDPは売上額に影響を及ぼしていると思われます。

結論から述べますと、GDPは売上額に影響を及ぼす要因といえます。この事実は時系列相関係数(統計用語でなく解説者が名称)で明らかにできます。

時系列相関係数の求め方

・売上額に直線回帰式を当てはめる。
・売上額の直線回帰式 y=185.21x+1296.14
・直線回帰式に、x=1,2,3,・・・,12 を代入し、直線のトレンドTを算出する。
・売上額とトレンドTの時系列比較グラフを作成する。
・売上額とトレンドTの差(残差という)を求める。
・GDPに直線回帰式を当てはめる。
・GDPの直線回帰式    y=-0.2559(%)+2.2803(%)
・直線回帰式に、x=1,2,3,・・・,12 を代入しトレンドTを算出する。
・GDPとトレンドTの時系列比較グラフを作成する。
・GDPとトレンドTの残差を求める。
売上額残差とGDP残差の比較グラフを作成します。

GDPが増加すれば売上額も増加(GDPが減少すれば売上額も減少)という傾向が、このグラフから読み取れます。
両者の単相関係数を計算すると0.7058となり、GDPは売上額を予測するのに重要な説明変数であるといえます。
この相関係数は、残差相互の関係を見たものです。残差は回帰直線(トレンドT)の影響を除去して求められたものです。この相関係数を解説者は「時系列相関係数」と名付けました。
 時系列データの場合、相関を調べる2つの変数にはそれぞれのトレンドがあり、通常単相関係数からは真の相関が見出せません。時系列データの相関は時系列相関係数を適用することを推奨します。