書籍詳細

株式会社アイスタット代表 理学博士 菅 民郎が著書した専門書のご紹介です。

統計学の基礎

ドクターも納得!医学統計入門

著 者:菅 民郎 ,志賀 保夫
出版社:エルゼビア・ジャパン株式会社
価 格:2,800円(税抜)
体 裁:A5判215頁
発行年月:2016年11月

ご購入はこちらから



概要

 複数の臨床研究の不適正な活動が明るみに出たことをきっかけに、製薬企業が発信する臨床データ全体に医療現場から懐疑的な声が出始めています。実際、現場のMRからは、「製品のエビデンスについて『これは本当?』と懐疑的に見られる」との声も聞こえ始め、MRはより裏付けのある信頼性の高い製品説明が求められるようになりました。

 このような背景もあって日本製薬工業協会は2015 年秋に、製品情報概要の新たな作成要領を取りまとめました。ポイントのひとつに科学的な記載を推進することがあり、臨床試験成績については、「▽記載するデータは科学的な裏付けがあり、信頼性の確保された正確なものであること▽統計解析結果について記載する場合、統計解析手法及びその結果(信頼区間、p値等)を記載すること」とし、統計解析手法の記載も必要としました。

 製品情報概要など企業が作成する資材について、科学者でもある医師に納得してもらえる内容とするのが目的ですが、医師ら医療従事者にデータを説明するMRにもデータを正確に理解するスキルが必要となります。つまり、これからのMRは統計知識をしっかり身につける必要があるということです。

 しかしながら、MR認定試験の合格に必要な最低限の統計知識では、医師を十分に納得させられない局面もしばしば発生するでしょう。「統計」という2文字を見ると、苦手意識を持つ人も少なくないはず。そこで本
書では、情報提供の現場で困らないための統計の基礎知識を、仮想臨床データを基に解説します。

 医師ら医療従事者から必要とされる、頼りにされるMRとなる一助として、本書がお役に立てれば幸いです。
菅 民郎
志賀保夫

目次

第1 章 基礎の中の基礎! 間違えたら信頼失う“統計知識”

1.1 「n 数」「サンプルサイズ」「サンプル数」の違い
1.2 医療統計をマスターしなければならない3 つの理由
1.3 平均値と中央値 両方を確認すべし!
1.4 極端な値である“外れ値”が平均値を左右する
1.5 平均値と中央値の差 ひとつでも「異なる」があれば中央値を使う
1.6 平均値を使う場合は“外れ値”を除外しよう
1.7 n数が大きい場合は外れ値もチェック!
1.8 データのばらつき具合を示す「標準偏差」 数値大きいほどばらつき大きく
1.9 標準偏差の算出は意外に簡単
1.10 2つの標準偏差 標準偏差(n)と標準偏差(n-1)を知ろう
1.11 n数が少ないと誤った結果が導かれる可能性がある
1.12 調査データの平均値、中央値だけで母集団の傾向は語れない
1.13 母集団の傾向を語るための「信頼区間」「t 値」「p 値」
1.14 「標準誤差」は母集団のことを知るバロメーター
1.15 比較する患者が同じ場合は「対応のあるデータ」、異なる場合は「対応のないデータ」と表現する
【演習問題と解答】

第2 章 統計的推定・検定

2.1 医師からの質問と宿題
2.2 「±」とは何だろう
2.3 データの信頼性はばらつきの大小で決まる
2.4 「ひげ」は○±△を図式化した以上の意味を持つ
2.5 「対応のある」「対応のない」で統計上の処理は異なる
2.6 「対応のある」データでは、“個々の症例”の薬剤投与前後の変化に着目する
2.7 母集団の平均値の違いを測るツール、それがp値
2.8 志賀さんからドクターへの回答
【演習問題と解答】

第3 章 リスク比とオッズ比

3.1 医師からの質問と宿題
3.2 データを並び替えて傾向をみよう
3.3 分割表は左側に原因(喫煙等)、上側に結果(不整脈等)を書く!
3.4 リスク比とは何だろう

3.5 オッズ比の典型的な間違った解釈とは
3.6 オッズ比でわかるのは影響要因かどうか、ということ
3.7 オッズ比の活用方法
3.8 理解しづらい「逆相関」を理解しやすくする方法
3.9 コホート研究とケースコントロール研究を知る
3.10 ケースコントロール研究でオッズ比が使われる
3.11 ロジスティック回帰分析とは何だろう
3.12 原因要因相互の関係で「強い相関はない」⇒ロジスティック回帰分析の必要なし
3.13 リスク比からの有意差検定とは
3.14 カイ2乗値とは何だろう
3.15 サンプルサイズが小さいと有意差も出にくい
3.16 志賀さんからドクターへの回答
【演習問題と解答】

第4 章 カプランマイヤー法

4.1 医師からの質問と宿題
4.2 とにかく気楽に考えよう!!
4.3 被験者によって試験の開始時期や観察期間が異なる
4.4 生存率には「期別生存率」と「累積生存率」がある
4.5 被験者ごとにバラバラな観察期間と観察終了理由に注目
4.6 生存曲線グラフのn数は「死亡」と「打ち切り」を除外した数値になる
4.7 期別の死亡数と対象患者数がわかれば、ひたすらカリカリ単純計算!
4.8 生存率曲線の描き方は意外に簡単
4.9 各時期のn数は記載すべし
4.10 p値を確認!「0.05 のバーをくぐるリンボーダンス」を思い出そう!
4.11 治療で死亡率がどれくらいの倍率で高くなるか、それがハザード比
4.12 CI(信頼区間)は「1」をまたぐかどうかが重要
4.13 志賀さんからドクターへの回答

第5 章 カプランマイヤー法におけるMST とPFS

5.1 生存曲線は必ず右肩下がりに推移する
5.2 半分の患者の傾向を示す生存期間やPFSの“中央値”
5.3 データから母集団の傾向が語れるか、常に意識を!
【演習問題と解答】

付録

関連書籍